ビジネスメールを送るときのマナー10回目は「メールの安全性」です。メールは、多くの人の仕事やプライベートにおいて必須のコミュニケーションツールです。自分と相手の時間を合わせることなく用件を伝え合うことができて便利なメールですが、セキュリティ対策を行っておかないと、情報漏えいなどのトラブルに見舞われてしまう可能性があります。今回はメールセキュリティの基本をご紹介します。
注意したいセキュリティリスク
特に仕事でやりとりをするメールの内容には、機密情報や個人情報などが多く含まれています。便利な反面、ビジネスとは関係ないスパムメールが含まれていることに気づかず開封してしまったり、誤ってメールを送信してしまったり等、様々なトラブルが起こるツールでもあります。外部からの攻撃から人的なミスまで、あらゆるところに情報漏えいの可能性は潜んでいるので、日頃から対策をしておく必要があります。
マルウェアへの感染
マルウェアとは、不正で有害な動作が意図的に行われるようプログラムされたソフトウェアや悪質なコードのことです。コンピューターを使ったことのある人なら誰でも一度は聞いたことがあるであろう「ウイルス」や、プログラムの動作を妨げる独立ファイル「ワーム」などは、代表的なマルウェアです。
メールの添付ファイルなどを開いてマルウェアに感染するケースが多く、特にHTMLメールにはマルウェアを埋め込まれやすいので開封の際には注意が必要です。さらにマルウェアに感染してしまうと、意図せず別の相手にマルウェアを添付しているメールを送ってしまうこともあります。
不正サイトへの誘導
正式な組織になりすましたメールを送り不正サイトへのアクセスを促します。フィッシング詐欺と呼ばれるもので、メール内のURLをクリックさせたりマルウェアを仕掛けたりして、クレジットカードやその他個人情報を盗みます。金融機関などの対策が強化され被害件数は減少傾向にあるものの、いまだ被害は多数報告されています。
標的型メール
スピア型メールとも呼ばれるこのメールは、不特定多数宛てに送られるフィッシング詐欺のメールとは違い、ターゲットを特定して送られるメールです。事前にターゲットのことを調査しているため、文体や内容などが自然で、つい開きそうになってしまいます。こちらも開封し、URLをクリックしてしまうと個人情報が盗まれてしまう可能性がありますので、注意が必要です。
人的ミスなどによる情報漏えい
アドレスの記入ミスや指定ミスなどで、意図しない相手に機密情報などを送ってしまうケースがあります。またCCやBCCの使い間違いでも情報漏えいの可能性があります。