複合機は現代のオフィスで日常的に使用される重要な機器であり、効率的な業務をサポートします。しかし、運用においてさまざまなトラブルや事故が発生することがあります。これらの事故は、通常、機器の運用ミス、設置環境、または
メンテナンス不足などが原因で起こります。以下に、複合機に関する近年の事故被害の5つのパターンを挙げ、そのシチュエーションとともにそれぞれの事故の詳細、さらにその抑制方法について解説します。
過熱による火災事故
シチュエーション
ある中規模企業のオフィスで、複合機が長時間連続して使用されていました。
機器は24時間稼働しており、日中も業務が繁忙で頻繁に使用されていました。
しかし、設置場所はオフィスの隅の空気の流れが悪い場所で、ほこりが
積もりやすく、換気も不十分でした。その結果、内部の冷却ファンが効かず、
機器内部に熱がこもり、最終的に部品の一部が焦げて火災が発生しました。
発生要因
不適切な設置場所:機器が換気の悪い場所に設置されており、熱の放出が阻害
されました。特に複合機の内部は、長時間稼働していると熱が蓄積しやすい
ため、十分な換気がないと過熱が起こりやすくなります。
定期的なメンテナンスの不足:冷却ファンや内部の清掃が不足しており、
機器内部にほこりやゴミが溜まり、熱の放出を妨げていました。
過熱防止機能の未活用:最新の複合機には過熱時に警告を出す機能や
自動停止機能が搭載されていますが、これらが活用されていなかった可能性が
あります。
被害の抑制方法
適切な設置環境の確保:複合機を設置する場所は、直射日光を避け、十分に換気された空間を選ぶことが重要です。また、機器周囲に可燃物や紙類を置かない
ようにし、常にスペースを確保しておくことが大切です。
定期的な清掃とメンテナンス:機器内部に溜まったほこりやゴミは冷却機能を
低下させるため、定期的に清掃を行い、特に冷却ファンや排気口周りをチェックすることが推奨されます。
過熱警告機能の活用:過熱時に自動でシャットダウンする機能や警告を出す機能を設定し、異常を早期に発見できるようにしましょう。もし過熱警告が出た
場合、速やかに使用を停止し、点検や修理を行うことが重要です。
トナー漏れによる環境汚染
シチュエーション
ある企業の複合機では、トナーの交換中に不注意からトナーがこぼれ、機器周囲や作業スペースが汚れてしまいました。特に、トナーは粉末状で非常に細かく、広範囲に広がることがあり、床や机上にも付着しました。さらに、トナーは非常に乾燥しており、掃除が難しく、汚れが長期間残ることになりました。結果と
して、機器が故障し、業務が一時的に停止しました。
発生要因
不適切なトナー取り扱い:トナーの補充や交換作業時に、手順を守らずに慌てて作業を行った結果、こぼれることになりました。トナーは非常に粉末状で飛散
しやすいため、取り扱いに注意が必要です。
交換作業中の不注意:交換作業中にトナーの袋を過剰に押したり、無理に詰め
込むことで、トナー漏れが発生しました。また、作業後に周囲の清掃を怠った
ことが汚染の拡大を招きました。
不十分な環境管理:トナーの交換を行う場所に十分な保護措置(例えば、シートやトレイ)を設けていなかったことが、汚染を引き起こしました。
被害の抑制方法
トナー交換時の慎重な操作:トナーを交換する際は、静電気が発生しない場所で作業し、トナーを慎重に取り扱うことが重要です。交換前に必ず手順を確認し、必要な道具を準備してから作業に取り掛かりましょう。
専用の保護シートの使用:作業台や周囲には、トナーがこぼれた場合に簡単に
拭き取れるように保護シートやトレイを敷くと効果的です。汚れが広がる前に
すぐに対応できる準備をしておきましょう。
定期的な教育と指導:スタッフに対して定期的にトナーの交換方法を教育し、
適切に作業を行うことができるようにしましょう。特に新しい従業員や不安が
ある従業員には、実践的な指導が有効です。
データ漏洩によるセキュリティ事故
シチュエーション
ある企業のオフィスで、複合機に保存されていた機密文書が誤って別の部署の
スタッフによって印刷され、データ漏洩が発生しました。この事故は、機器に
十分なセキュリティ対策が施されていなかったため、履歴やアクセスログを管理していなかったことが原因です。また、複合機が共有されており、パスワード
なしで誰でも使用できる状態だったため、誤って機密情報が他の社員に渡って
しまいました。
発生要因
セキュリティ対策不足:複合機にはパスワード保護や認証機能がありましたが、それらが設定されていなかったため、誰でも自由に印刷やスキャンができる
状態でした。
履歴管理の不備:複合機に記録された履歴が管理されておらず、印刷履歴や
スキャンデータが誰でも確認できる状態だったため、機密文書の取り扱いに
不安が残る状況でした。
共有使用のリスク:複合機が多くの従業員によって共有されていたため、誤って印刷したり、機密情報を取り扱う際に注意が欠けていました。
被害の抑制方法
アクセス制限と認証機能の活用:複合機の使用にはID認証やパスワードを要求し、誰が何を印刷したのかを管理できるようにすることが重要です。また、
印刷物を取り出す前にパスワードを入力しなければならないような設定を行うと効果的です。
印刷履歴の定期的な管理と削除:機密情報が保存された履歴やデータは定期的に削除し、不要な情報が残らないように管理しましょう。また、履歴を暗号化して保存することも安全性を高めます。
従業員教育と意識向上:従業員には機密情報を取り扱う際の注意点を徹底的に教育し、誤って情報を流出させることがないように、セキュリティ意識を高めることが求められます。
操作ミスによる機器故障
シチュエーション
オフィスで複合機の操作を担当している社員が、無理に用紙を詰め込んだり、トナーを交換する際に不適切な部品を取り付けた結果、複合機が故障しました。特に、用紙の詰め込み過多や不正な部品の使用は機器の部品を損傷させる原因となります。この事故により、業務が停止し、修理費用が発生しました。
発生要因
操作ミスと不適切な取り扱い:複合機の操作マニュアルを守らずに用紙を無理に詰め込んだり、トナーを交換する際に誤った部品を取り付けたことが直接的な原因です。
メンテナンス不足:定期的なメンテナンスや点検が行われておらず、機器の異常を早期に発見することができませんでした。特に部品の劣化を放置していたことが、故障を引き起こす原因となりました。
被害の抑制方法
定期的なメンテナンスと点検:複合機の部品や機器全体の点検を定期的に行い、故障の兆候を早期に発見することが重要です。特に用紙カセットやトナー交換部品の状態を確認し、異常があればすぐに対応します。
操作教育の徹底:従業員に対して、複合機の操作方法をしっかりと教育し、無理な操作を避けるよう指導することが必要です。また、操作マニュアルを常に手元に置いておくと、適切な取り扱いが確保されやすくなります。
修理業者による不適切なメンテナンス
シチュエーション
複合機の故障が発生し、外部の修理業者に依頼しましたが、業者が誤った部品を使用したり、修理を不完全に行いました。その結果、修理後にさらに問題が発生し、複合機が再度故障することになりました。修理に時間がかかり、最終的に業務の運営に大きな支障をきたしました。
発生要因
信頼性の低い修理業者の選択:修理業者がメーカー認定業者ではなく、部品の質や技術が不十分だったため、修理が不完全であった可能性があります。
保証やメンテナンス契約の不履行:複合機がまだ保証期間内だった場合、保証を活用せずに無償で修理が行われなかったことも問題でした。
被害の抑制方法
認定業者の選定:複合機の修理やメンテナンスは、メーカー認定の業者または信頼できる業者を選びましょう。認定業者は、純正部品を使用し、適切な修理を行うことができます。
修理履歴の確認と記録:修理後には、詳細な報告書をもらい、修理内容や交換された部品について記録を残しておきます。これにより、将来のトラブルに備えることができます。
まとめ
複合機はオフィス環境に欠かせないツールですが、その使用には慎重な管理と注意が求められます。過熱による火災、トナー漏れによる汚染、データ漏洩、操作ミスによる故障、不適切な修理業者によるトラブルなど、さまざまな事故が発生する可能性があります。これらのリスクを軽減するためには、機器の設置場所や取り扱い方法、定期的なメンテナンス、セキュリティ対策の徹底が重要です。事故が発生した場合には迅速かつ適切に対処し、再発防止策を講じることが求められます。ACNでは、導入後のフォローやメンテナンスの部分でユーザー様から評価頂いており、業種に関しても様々ございます。リスクを回避するためにサポート付きでのご導入をご検討の方、事業所を新たに開設する方、今ある複合機の調子が悪く入替をご検討の方は、お気軽にACNにお問い合わせください!
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