近年、日本ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や働き方改革の一環としてペーパーレス化が注目されています。特にコロナによるリモートワークの広がりもあり、日本でペーパーレス化の必要性は加速しています。しかし、現状として徐々に進んではいますが、国内企業の完全なペーパーレス化まではたどり着けていません。

企業の取り組み状況
2022年1月には電子帳簿保存法が改正され、企業のペーパーレス化推進が活発化しています。企業の経営者層対象に実施したペーパーロジック株式会社の調査結果によれば、2023年度のペーパーレス化の推進について、取り組めていない企業は全体の約45%で、積極的に取り組んだ企業のうち約40%は2024年度に予算を配分していない、取り組まなかった企業のうち80%以上は2024年度もペーパーレス化を推進しないと回答しました。この結果から、ペーパーレス化を推進する企業は増加はしているが、まだまだ課題が残っているのが現状です。
ペーパーレス化が進まない理由
ペーパーレス化が完全に移行していないケースが多い中で、主な原因は以下の通りです
・紙の書類が法的に必要
契約書や請求書、領収書など、一部の文書は原本の保存が義務付けられている為、電子化は難しい。ただし、電子帳簿法の改正(2022年施行)により、要件を満たせば電子保存が可能になってきている。
・取引先との関係
取引先や顧客が紙の書類を求めるケースがあり、完全な電子化が困難。
・紙の方が使いやすいという意識
特に年配の社員を中心に紙の方が使いやすい、記入しやすいとの意見が根強い。また、ハンコ文化が残っており、書類の回覧、承認に紙が必要な企業もまだ多い。これにより電子決裁の導入が進みにくい。
・購入コストが高い
紙を前提とした業務フローが定着しており、新システムとの統合が難しい。また、ペーパーレス化には、電子契約システム、クラウドストレージ、業務フローの変更などが必要で、初期費用がかかる。
・セキュリティとコンプライアンスの懸念
電子データは便利だが、ハッキングや不正アクセスのリスクがあり、慎重な企業も多い。また、紙とは違い物理的な保存ではないので、サーバーやクラウド障害、誤操作によるデータ消失への不安が残る
・実際の業務効率とのバランス
工場、建設現場、医療現場などではタブレットやPCよりも紙のマニュアルやチェックリストの方が使いやすい場合がある。また、中途半端なペーパーレス化により、一部の業務は紙、別の業務は電子といった形になり、逆に手間が増えるケースもある。
複合機の市場規模推移
一方、複合機の市場は、直近10年で約4割縮小しています。特に、2013年から2019年まではまでは緩やかな縮小傾向でしたが、コロナ禍により縮小が加速しました。しかし、2022年には国内で前年比110.8%、海外では113.2%と出荷・生産台数が増加し、市場は一部回復傾向にあります。
まとめ
このように、ペーパーレス化を推奨している昨今ですが、現状課題が多く、また業種によっては今後の移行も考えにくい場合もあります。ACNのユーザーの多くは製造業や医院が多く、複合機の使用頻度も多くあります。ご導入されている方の多くはアフターフォローで高く評価頂いておりますので、今後も複合機を使用される方で入替をご検討の方などはお気軽にお問い合わせください!